メンズデザイナーたちが着目したのは軽さと着心地の良さ?。2025年6月17日〜20日のPITTI IMMAGINE UOMO、続いて6月20〜23日のミラノメンズ、そして6月24日〜29日のパリメンズへと続き、2026春夏メンズトレンドが出揃った。
パリメンズでは70ブランドがコレクションを発表。Jonathan Anderson (ジョナサン・アンダーソン) による新生「DIOR (ディオール)」、Julian Klausner (ジュリアン・クロスナー) が手がける「DRIES VAN NOTEN (ドリス・ヴァン・ノッテン)」など、新クリエイティブ・ディレクターを迎えたブランドに注目が集まった。日本人デザイナーの躍進は続いており、パリメンズの参加ブランドの中で、日本発のメンズブランドは14にのぼる。
注目トレンドは、コットンシャツやニット、ワイドパンツといったトラディショナルなアイテムをより自由で開放的にアップデートしたスタイル。シルエットのバランスを巧みに操り、シアー感をともなってリラクシングに仕上げている。インドやアフリカなど、異国文化にデザインソースを求めたスタイルも多い。アイテムでは風にたなびく超軽量のナイロンタフタコート、トロピカルウールのシャツ、パジャマシャツ、透け感のあるニット、軽快感のあるショーツにハーフパンツ。アクセサリーではデイリーでも履けるグルカサンダル、ゆるく結んだネクタイが台頭。カラーではリラクシングなニュートラルカラーのほか、イエロー、ライムグリーン、オレンジといったブライトカラー、ブラウンの豊富なカラーバリエーションが登場した。
来場者の関心を集めたのはJonathan Andersonによる「DIOR (ディオール)」のデビューコレクション。ブランドのヘリテ
ージを読み解きながら、フォーマルウェアをプレイフルに再解釈した。18〜19世紀のウエストコートはフラワーモチーフの
刺繍を施してモダンにアレンジ。アイコンアイテムの「バー」ジャケットは、モスグリーンやブラウンのツイードを用いて、
新たなスタイルに生まれ変わった。アイルランドの伝統的なドネガルツイードで仕立てられたジャケットも登場。ボウタイを
プラスしてフォーマル感をアピールする。ビロードのテールコートにはユーズドデニムを合わせ、シルクスカーフでドレスア
ップ。フォーマルとカジュアルを組み合わせ、「ディオール」の新たな世界観を創り上げた。