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    2015春夏 パリ オートクチュールコレクション
可憐な花々に彩られたロマンティック・ワールド
 1月下旬にパリで起こったテロ事件で開催が危ぶまれた2015春夏 パリオートクチュールコレクション。厳重な警備の中で提案されたコレクションは、不穏な社会情勢を吹き飛ばすような花や愛に包まれたロマンティックなスタイルだ。

 ラフ・シモンズが手がける「CHRISTIAN DIOR(クリスチャン・ディオール)」は“Moonage Daydream(ムーンエイジの白日夢)”をテーマに、ブランドアイコンである「ニュールック」の進化系ドレスを披露。1950年代の魅力と1960年代の実験的な側面、1970年代の開放感を作品に落とし込んだというスタイルは、可憐な花のモチーフをレースで描いたり、ビニール製のコートを重ねることで、甘さと未来的な雰囲気を備えている。ディオールの象徴である「フラワーウーマン」は黒を効かせたやグラフィカルプリントのコンビネゾンでスポーティーに表現している。

 2015-2016秋冬シーズンを最後にプレタポルテからの撤退を発表した「VIKTOR&ROLF(ヴィクター&ロルフ)」。今シーズンはゴッホが描いた田園風景からインスピレーションを得て、花柄ドレスと麦藁帽子をデフォルメさせて、飛び出す絵本のような三次元的ドレスを完成させた。花柄ドレスから張り出すカットワークは麦藁帽子に届くまで大きく張り出して、不思議な世界観を描き出している。ゴッホの絵に見られるような狂気と明るさの二面性を表現している。今後はオートクチュールに専念して作品を発表するという。

CHRISTIAN DIOR

VIKTOR&ROLF